海には潮の干満というものがあります。月と地球は互いに引っ張り合いながら動いており、これを「引力」と呼んでいます。引力は互いの距離が近いほど強くなり、離れるほど弱くなっています。
月と地球は万有引力で引き合っていますが、距離が一定に保たれているのは月と地球との相互連動による遠心力が働くためです。この遠心力は地球上のどこでも同じ大きさです。この遠心力と引力の合力が潮の満ち干きを起こす力となっています。地球は1日1回自転していますので、満潮と干潮はそれぞれ2回起こることとなります。
また、地球には月と太陽の両方の引力が働いており、双方の力が合わされば潮の干満は大きくなります。具体的には、太陽と地球が一直線上に並ぶ新月(闇夜)の周期前後と満月の周期前後では、引力が重なって大きくなります。すると、海面の上下動が大きくなるので大潮となります。
上弦(新月から満月になる間の、月が半円形になった状態のこと。月が沈むとき、弓の弦を上向きにしたような形になる)と下弦(上弦に対して、満月ののち、次の新月までの、月が欠けて弓の弦を下向きにしたような形になった状態のこと)の時は、月と太陽の引力が互いに消し合うので、海面の上下動が小さくなり小潮となります。
【大潮】
新月と満月の前後に廻ってくる潮です。最も干満の差が大きく、よく動高い潮まわりです。
【中潮】
大潮に次いで干満の差が大きく、比較的よく動く潮まわりです。
【小潮】
大潮とは対称的に干満の差が小さく、あまり動きのない潮まわりです。
【長潮】
干満の差がほとんどなく、全く動かない潮まわりです。
【若潮】
潮の周期の入れ替わりにあたり、比較的よく動く潮まわりです。
潮が月の満ち欠けにより、約15日周期で繰り返されることになります。
潮位の差が大きい時(大潮)と小さい時(小潮や長潮)では、一般的に潮位の差が大きい時(大潮)の方が魚はよく釣れるといわれています。潮位の差が大きい時は、潮の動きも大きくなります。潮の動きが大きいと、潮が速く流れ、湧昇流(潮が下から上へ湧き上る)が起こります。
すると、この流れによって下層にあるプランクトンが上層に吸い上げられ、エサ類が海中に散らばった状態になります。こうなると、魚の活性も高くなり、結果的にはよく釣れるということになります。
また、潮がよく動き、流れのある時は、波止場にぶつかってできた波の影響で、酸素の量が海中へ多く取り込まれるため、魚の活性が高くなるという見方もあります。
魚が活発にエサを食べるのは、満潮または干潮時刻から約2時間後と言われてます。潮が動き出すと、海水の酸素量が増え、エサが海底から舞い上がったり、海草や岩礁帯からこぼれ落ちたりします。
また、潮が満ちてくると魚は波止際や浅場へ寄り、干いてくると沖へ出て行く傾向があります。
ちなみに、満潮と干潮の時刻には潮の流れは止まってしまいます(潮止まりと言います。この時は魚の食い気が止まると言われています)。
潮見表(潮時表)とは、1日毎の潮の種類と満潮及び干潮の時刻が記載されたものをいいます。潮見表(潮時表)は釣り雑誌に掲載されていたりします。各店で店内の掲示板で掲載
潮見表を見る場合には、最初に釣行する日付の段を見て下さい。○月○日の段を見ると、潮の種類は「中」と記載されていますので、その日は「中潮」ということになります。「大」は大潮、「中」は中潮、「小」は小潮、「長」は長潮、「若」は若潮です。
また、潮の種類については、日本全国どの地域も同じです。同じ日に、釣る地域によって潮の種類が異なるといったことはありません。
しかし、潮時表に掲載されていない釣り場については、釣行する釣り場に一番近い地域の潮時を参考にするとよいでしょう。
海釣りでは潮のよく動く「大潮」または「中潮」の日に釣行することがベストといえます。そして、その潮回りに加え、朝夕のマヅメ時(日の出や日没前後の食いがよくなる時間帯)に満潮時刻が重なっていると、最も釣れる可能性の高い日となるのです。このように、潮見表を活用すれば、効率よく釣れる可能性の高い釣行日を選択することができます。
ただし、これも判断基準のひとつのということで、「絶対釣れる」というわけではありません。釣り場では、潮回り以外にも天候・水温・風向、その他いろんな条件が重なった結果として、釣果が大きく左右されるということになります。
そのため、より確実な釣果を望む方には、釣り場・日の出や日没時刻・天候・潮の種類・水温・風向・釣れた時刻等、各種データを残していくことが重要となってくるでしょう。
海の自然現象である「潮汐」をよく理解し、うまく利用することが釣果アップの秘訣となります。